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自然対数e(ネイピア数)とは?

  虚数の神髄に迫る!・・前にどうしても自然対数(ネイピア数)とは何かを知る必要があります。
何それ?って人のためにまず数式でこう表せることをお見せします。
16082601.png
「え、もう無理」
と思った数学嫌いな方ちょっとお待ちを!
ブラウザの戻るボタンを押す前に、なるべく難しい式を使わないように説明しますので少々お付き合いください。
何をやっているかと言うと1に限りなく0に近い値を足して、それを無限回かけると何故か2.7182818...(無理数)になるということ。
※無理数とは分数で表せない循環小数で表せない実数です。円周率等がそれです。
つまり以下のようにかけるのです。
16082602.png
この式を数学的に書くと冒頭で表したような式になるのです。
「何をしているのか分からん」
と言う人に試しにエクセルで計算してみましょう。
1から順に一つずつ増えていくnと、(1+1/n)^nを計算して表にしてみました。(^は指数)
16082600.png
むむ、なんだかある値に収束していきそうですね。
このnを無限にすると、2.7182818...というとある無理数に行きつくのです。
それを自然対数"e"と数学では呼びます。ネイピア数とも言います。

この数の利用例を見ていく前に何故これが生まれたのかその誕生の経緯を見ていきましょう。

これは対数の起源にあります。
ここで「いや、そもそも対数ってなんだよ、log?あぁなんか見たことある気がするけどすっかり忘れた」という人のために、指数と対数(log)の関係をおさらいしてみましょう。
指数と対数の関係はlogを用いてこうかけますよって習いませんでした?
16082603.png
なんか難しそうに書いてありますが、数学者はかっこ付けたがり屋なので、かっこつけて書いてあるだけで中身は単純です。
結局は
 16082604.png
こんな風に2の3乗は8ですよを、logを使ってこう書き表しますって定義しただけで難しいことは何もありません。
正確にはlogを使うと2を何乗したものが8になるのか、を計算するもの。答えは3ですね。
では例えば
16082605.png
の答えは何でしょう。
先ほどの法則にのっとると、10を何乗したら100になるでしょう?
その答えは2ですね。だから
16082606.png
このようにかけます。
もう1パターン見ておきましょうか。同様に3の2乗は9ですが、以下のように表せるわけです。
16082607.png
ここで、普段膨大な勢いで増殖しするようなことを「指数関数的に増殖する」なんて言い方聞いたことないでしょうか。
10をn乗する様子を以下に書いてみましょう。
16082608.png
指数であるnの数は1つずつしか増えていないのにこの式の解はものすごい勢いで増大しています。
これをグラフにするとこんな感じになります。
16082610.png
最近の中国経済の伸び方とか「指数関数的な成長だ」なんていいますね。
逆に対数はどうでしょう。
16082609.png
logの中身はすごい勢いで大きくしているのに、式の解の増加の仕方はやけにのんびりしています。
これをグラフにするとこうなります。
16082611.png
指数関数のグラフを反対に向けたような形をしていますね。
成長がもう頭打ちになっているような時に
「この分野の成長はもう対数関数的だ」なんて表現します。
指数と対数はこのような関係になっています。

で、やっと本題に入るわけですが、このような対数は何故考え出されたのでしょう。
時は1500年代、まだ電子計算機どころか、機械仕掛けの計算機すらなかった時代です。
このとき天文学が盛んであり、非常に大きな数や複雑な計算を行うことに迫られており、何とかこれらの計算を簡単にする方法は無いか模索されていました。

さっきの
16082603.png
ですが、xを指数、yを真数と呼びます。
指数と真数の対応表を下のようにあらかじめ大量に作っておいて、指数の計算だけして、真数の計算はせず、結果計算結果の指数に該当する真数を見ることで計算を簡略化しようとしました。
下の例で言えば指数の2+4=6なのでその時の真数は計算しなくても対応表から64ということです。
指数の2+4と真数の4×16は対応する6と64が同じ位置にくるのです。
16082614.png(これを道具化した物が計算尺です)
当時「小数の指数」という概念が無かったので底を一番小さな2としても真数はとびとびになってしまい、小さな計算ができません。
※(aを対数の底という)
そこでネイピアさんは底(上の式のaのこと)に「1+ほんの少しの数」を選ぶことにしました。(実際にネイピアが使った数はマイナスですがここでは省略します)
ここではその数を「1.0000001」とします。この数を指数を使って表すと
16082613.png
と表せます。
「1+ほんの少しの数」を底にすれば精密な計算が出来ると思ったのです。
これを底にした表がこちらです。
16082615.png 
2+4=6に対応する1.0000006は、
1.0000002×1.0000004=1.0000006ですからより精密な計算が出来るようになりました。
しかしこの時活発に行われていた天文学と遠洋航海の問題を正確に計算するにはもっともっと底を小さくする必要がありました。
ネイピアは(1+1/大きな数)を底としましたが、これでも追いつきません。
そこで考えられたのが指数の方を小数にしようと言う考え方です。
2の2乗は4ですが、2の1/2乗は1/4、2の1/4は1/8です。これを先ほどの対数で表すと
16082617.png 
このようになり、指数が小さくなると真数がもっと小さくなるのです。
このように非常に小さな数x'を指数にして以下のようになりました。
16082616.png 
ここで最初の式を持ってきます。
16082602.png 
これをeとして代入して
16082618.png
という式が出来上がりました。
こうしてできた自然対数"e"は非常に数学の様々な部分で役立ちます。
虚数iのように、様々な計算が非常に楽になるのです。
一例として微分が該当します。
16082619.png をxで微分しても16082619.pngのまま解が変わらないので、微分における計算が非常に楽になります。
「え?微分とか知らない?」

ではこのような自然対数"e"は自分の生活とはかけ離れていると思っている皆さんにあなたの身近な所にもある自然対数"e"のお話をしましょう。



A銀行とB銀行があるとします。どちらも1年の利率が100%です。
1年の利率が100%というのは、1年間で預金が+100%になるということ。
つまり100万円預けておけば1年後に"2倍"の総額200万円になるということです。

ここでB銀行は利子の計算を半年ごとに精算することにしました。
前半年で1.5倍になり、後半年で1.5倍になるので、1年で1.5×1.5="2.25倍"になります。

このままではB銀行の方に客が流れてしまうのでA銀行は利子の計算を3ヶ月毎に精算することにしました。
すると3ヶ月ごとに1年に4回1.25倍になるので1.25x1.25x1.25x1.25="2.44140625倍"になります。

A銀行は、えぇい、それなら1日ごとに精算してくれる!と言い出しました。
1日当たりの利子は1/365ですから1日経ったら(1+1/365)倍になります。これが365回掛け算になるので16082620.png="2.714567...倍"になります。
おや?どっかで見たことありませんか?これ。

極めつけにもういっちょ。
最終的にB銀行は「1秒ごとに精算してくれるわー!」と言い出しました。
こうなるともうこれですよね。
16082602.png 倍になります。
生活のそばにある金利計算にも自然対数eが隠れているのです。

eの数学的な重要性については関数・微分・積分の知識が不可欠になりますが、
一旦ここでは省略します。
現在の天気や地学等の自然現象の計算や実験結果、経済活動などの「変化」を数学的に分析する時にこの自然対数"e"は非常に重要な役目を担ってくれているのです。

参考:Newton「こんなに便利な指数・対数」、大人が学び直す数学
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